地震の後の不眠

 先日おきたような大きな地震の後には寝つきが悪くなったり、夜中に眼がさめやすくなったりして心療内科を受診される患者さんが増えます。実際に余震などもまだありますし、大きなストレスに対する反応として不眠が増悪しても当たり前とも考えられます。このような場合は時間とともに改善していき、治療を要しないこともおおいのですが、次のような点にご注意ください。

 ①生活リズムがずれてしまう場合

夜の寝つきが悪くなったために朝起きられなくなり、生活リズムが後に後にずれていくことがありますが、いったんリズムがずれてしまうと頑張って朝起きても時差ぼけのような状態になってしまい、仕事がはかどらないなど障害をきたすこともあります。たとえ寝つきが悪くても、できるだけ朝起きる時刻は一定にするように心がけてください。

 ②夜も昼も眠くならない場合

夜の眠りが悪くなれば当然昼間に眠くなることが多いのですが、前日の夜眠れていないにもかかわらず、昼間も全く眠くならない、そしてその日の夜も眠れないなど眠っていないにもかかわらず全く眠くならない場合は過覚醒の状態にあり、健康な状態ではないおそれがあります。このような場合は一度医療機関にご相談ください。